比較報告のそれから
こないだの記事(おれは法曹生まれマークアップ育ち)で、
データベースの評価って、いまはどうなのかなー。
あんまり聞いたことないけど・・・
と書いたところで、
いしかわまりこ「法情報データベースの比較報告-「NDL-OPAC雑誌記事索引」と「法律判例文献情報」(特集-法情報検索教育と法科大学院)」
(法律時報75巻3号、日本評論社、2003年)
という論文を見つけた。
こ、これは・・・。と思う。
2003年ということで、「法律判例〜」はまだCD-ROMを使っての調査だし、法学研究者3人分の全業績調査は、はっきりいって相当めんどくさかったんじゃないか。すごい。
それで、調査からすでに5年以上経ってるので、いまはどうなってんのじゃろ? って思うところがちらほらあったので、それを確認してみた。
まずは『法律判例文献情報』について。
2 法律判例文献情報
国会図書館が監修してるなんてきいたことなかったなと思って、D1-lawのデータベース版の説明ページを見たけど出てなくて、冊子のほうを当たったけどやっぱり載ってない。せっかくのアピールポイントなのに。
と思ってNDL-OPACの書誌で確認してみると、
監修者変遷: 国立国会図書館参考書誌部 (1981年1号-1986年2号)→ 国立国会図書館専門資料部 (1986年3号-2001年12号)→ 国立国会図書館調査及び立法考査局 (2002年1号-2005年9号)
ということで、2005年をもって監修を終えていた。
なんでかはわかんないけど、その年にちょうど『法律判例〜』のオンラインデータベース提供が始まってるから、その辺も関係してるのかしら。
ちなみにCD-ROM版もまだ出続けている。
学会誌の収録について、
とあるけど、いまはそれらはすべて採録している。
また、
最新情報の収録は、・・・論文掲載雑誌や図書の発行から早くて三ヵ月後である。
(33ページ)
とあって、この状況はいまでも(オンラインでも冊子でも)変わっていない。
収録開始も変わらず1982年からだった(増やさないのかな)。
雑誌の別冊や増刊号については・・・採録にばらつきがある。採録一覧にない別冊や増刊は対象となっていないという前提で検索するのが無難である。
(31ページ)
これはいまも変わらない。
収録期間について、
いつから採録対象となったか各誌によってことなるので注意が必要である。採録対象誌数が多いとはいえ、このように一覧を見ながらでないと検索結果の漏れを確認できないのは検索の便宜性という面で大きなマイナスである。
(33-34ページ)
と指摘されている。これも現状そのままだった。
ていうか、まず、採録一覧からその雑誌を見つけ出すのがめちゃめちゃ難しい。五十音順リストで作られているんだけど、別冊とかってタイトルを何ではじめてるかなんてわかんないじゃん。で、検索フレームもないから、地道にブラウザの検索機能を使って探し出すしかないっていう。
RSSが付いたのはうれしいけど、リーダーに登録するまで結構壁がある気がするんだよなー。
とりあえず検索窓くらい作って欲しいよ。
と、気になったのはそんなところ。
(ほんとは採録率の改善がされてるかとかが大事なトコだけど、さすがに検証できん・・・法律文献データベースも増えてるだろうし、それらみんな考え合わせたら、うーむ。気が遠くなる)
まぁ結局、「うまく組み合わせて使いましょう」ってのは変わらんよなー。
あとデータベースの評価からは離れるけど、
重要判例解説は臨時増刊ではあるが、「ジュリスト」の通号がつく雑誌であり、なぜ採録対象とされない場合があるのかわからない。
(31ページ)
を読んで思ったのが、ジュリスト臨時増刊の『重要判例解説』って年度に1回発行されてるものなんだけど、それは年刊扱いになるのか、それとも普通にジュリスト本誌の流れでいいのかってことで、つまり著作権上の「相当な期間」が気になっているわけです。
もし年刊だったら図書館内でコピーを取るまで3ヶ月は待たないといけないけど、通号の流れでいいんならもう次の号が出たら(ジュリストはいま月2回刊だから2週間くらいで)すぐコピーしていいってことになる。ていうか場合によっては通号が後になる本誌分が先に到着したりもするし・・・どうなのかなぁ。曖昧だなぁ。あんまりはっきりさせちゃいけないようなにおいもするなぁ。笑
あーやだやだ。