elementary voting (2)

承前(elementary voting)。


というわけで、とりあえず

どうする!依存大国ニッポン (ディスカヴァー携書)

どうする!依存大国ニッポン (ディスカヴァー携書)

の2冊の内容をざっと確認してみると、『若者は、〜』のほうの第2章に、「政治リテラシーゼロの人は誰に投票すべきか?」という項がある。
ちなみにこの本は世代間の受益格差を問題視していて、特に2,30代の若い層に損失が大きいのは投票率が低くて政治家が目を向けないからだから、とりあえず選挙行けよ! という立場で書かれている。なお「政治リテラシー」というのは、ニュースや新聞などで報道されるような政治経済などに関する基本的な知識の有無、という意味で使われているように思う。
つまりこの項は、知識の全然ない若い人がいざ選挙に行ってみて、さて5分くらいで決めようというときの話である。


その解決策は4つ挙げられている。

解決策その1 「鉛筆を転がして決める」
解決策その2 候補者の「顔」で選ぶ
解決策その3 政党で選ぶ
解決策その4 小選挙区比例代表区で、別々の政党の名前を書く

その1の「鉛筆」は、「ふざけているのではありません。」と書いてある。どういうことかというと、運に任せた人たちの票はどの党にも確率的に平等に入るから、小選挙区の勝敗に影響を与えない。それでいて投票率は上がるから政治家も目を向けるようになるだろうと。
その2の「顔」とはまさにルックスで決めるということだけど、調査してみるとなんだかんだで結構みんな顔見て決めちゃってるから別にいいんだよ、という。
その3の「政党」というのは、逆に言えば人で決めるなということ。付き合いもないのに人となりなんかわかるわけないし、どうせ政党政治なんだから人で選んでもあんま意味ないと。そして、「自分の現状に満足している」のならば与党に、「新しい変化があってもよい」のなら野党に入れよということ*1
その4の「別々の政党」というのは、その3でどうしても迷ったらこうすれば勝敗に影響は与えないよということ。


内容はそんな感じで、要するに1と4は「誰かくわしいひと決めて!」というやり方で、2は「みんな無意識にやってる方法で!」というやり方なので、それはそれで好みに合えばいいと思うけど、個人的には3が自分でちゃんと考えられるおもしろいやり方かなぁと思った。
この次の項の「政治リテラシーが高い有権者はどうやって候補者を選ぶべきか?」にも、

美辞麗句の並んだマニュフェストを読む時間があったら、自分の生活状態を精査して、その満足度で決めるほうがよいかもしれません。
(63ページ)

とあって、それもそうだなぁと思うし。
それから、

…何度でも強調したいのは、民主主義制度内では、政権交代を繰り返す、つまり政党間競争を促せば促すほど、理想に近づく、という点です。これだけは、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。
(64ページ)

というのは、これからも覚えておくべきことなんだろうなと。


てな感じで、選挙のときの決め方について、この本でかなりヒントがもらえてよかった。
あとは、このあいだTwitterで、

というのを見かけてなるほどと思ったので、地元の新聞(千葉日報)を見てみようかなぁと思う。

*1:この本は2009年の麻生内閣時に書かれたようで、ちょうど政権交代が行われる時期、「二大政党制」がどうのと盛り上がった頃だと思う。