elementary voting
もうすぐ選挙ですね。
という言葉で始めると、3年前のあの記事(きみは「めいすいくん」を知っているか)のことを思い出すわけですが、それはともかく。
選挙には、もちろん行ったことがあるし、もちろん行かなかったこともあるし、いくつかの政党の候補者に入れたこともあるし、白紙投票をしたこともあるのだけれど、何をしたらどうということもなく。
というかそもそも、選び方なんて何も知らないんじゃないかということに思い当たった。
つまり、どういうふうに情報を集めたらいいのか、何を基準にして考えたらいいのか。選挙が近くなったら、要するに、何したらええねんという、そんなごくベーシックな知識が全然欠けている。
政党や政策や争点をまとめてくれているサイトは、例えば
などがあるけど、とりあえず、どう決めたらいいのかに関する公平で方法論的な基本が自分の中にほしいと思った。
で、検索してみる。
まず、総務省のサイトに、
なるほど!選挙
というページがある。あるけど、ここは選挙の意義とか制度とか寄付禁止とかそういうことが書いてあるだけで、選び方の情報はない。
あ、じゃあ今度成人になるひと向けのパンフとかならあるんじゃね?
と思って探すと、札幌市の「新成人の方へ(選挙ブック)」なんてのが見つかるけども、ここも内容は同じような感じ。
冒頭の「めいすいくん」も含め、やれ「大事大事」「これダメこれダメ」「行け行け」と言ってるだけで、行くか? と思ってしまうのである。
Q&Aサイトにはやっぱり支持政党の決め方などの悩みがいくつか寄せられているけれど、回答も千差万別でうーんという感じ。
ブログのほうが多少まとまっているかなという印象で、例えば「立教ビジネスクリエーター塾(RBC)」のスタッフブログに、
◆30分で決めたい方
Yahoo!みんなの政治の「マニフェストマッチ」で政党を選びましょう。
(…)
◆1時間で決めたい方
マニフェストマッチに加え、お住まいの都道府県の候補者情報を見ましょう。
(…)各候補者のページで見るべきところは、「フレッシュアイペディア」の
ところです。つまりWikipediaの記事です。まあ一番公平な内容かと
思いますので…。
どういう経歴があって、現職・元職であればどんな活動をしてきたかを
見ると、どういう分野に強くてどういう志向を持っているかが
なんとなくわかります。
◆2時間で決めたい方
候補者の動画を探します。Google動画検索などで
「演説 候補者名」と入れて検索しましょう。
演説では短い時間で伝えなければいけませんから
公式HPなどよりも的を絞った主張が聞けるでしょう。
動画でならわかる雰囲気や見た目も、判断材料にしていいと思います。
演説だと結構過激な方もいますし。その他調べだすとキリがないですが、ご自身の都合に合わせて
情報を集めてみてください。
という記載があって、具体的だった。
ほかには、「エクスカリパーで日本を斬る!」に、
【好き嫌い、で選挙に行くな】
(…)
・・・さてさて、好き嫌いが、「まずい理由」は、
「そこで思考停止してしまうこと」
にある(・ω・)
選挙とは、究極のところ、心酔か消去法である。
「ああ、もうこの人しかいないぜ!」と信じこめれば、候補者を選ぶ作業を短縮できる。これが心酔だ。
あるいは、「あ、こいつは絶対ダメだな」として、候補者を切り捨てながら絞り込めれば、選ぶ作業は楽になる。これが消去法だ。
そうしたプロセスは、最終的には必要だが、初期段階でおこなうのは、まさしく思考の放棄である。
(…)
【縦と横から、候補を眺めろ】
(…)
タテとは、まず候補者ひとりひとりを、じっくりと眺めてみることだ。
選挙のホームページがあれば、それを見てみる。マニフェストも流し読みくらいはしておく。ウィキペディアも見ておきたい。
そうやって、候補者の全体像を掴んでおくのだ。
この縦の作業は、マスコミや広報誌などはあまり信頼しないほうがいい。
その次は、各項目ごとに、ヨコに切って並べて眺めるのである。
今回の選挙の争点は、例えば「防災」だ(くだらねぇwww)
防災について、各候補者は、どんな事を言っているか、あるいは言っていないか。
それらを並べて比較する。
税金や、福祉や、雇用・・・はたまた築地移転、オリンピック、新銀行東京・・・
自分の関心分野を中心に、横から見ることで、「どの候補とどの候補が、近いか、対立しているか」が、だんだん整理されてくるだろう。
この横の作業は、テレビや新聞の特集も、大いに役立つ。だが、それらを1つ2つ見ただけで判断するのは、あまりにも早計なので気をつけたい。
【情勢を考えて投票せよ】
(…)
例えば、あなたがA候補を応援し、都知事になってもらいたい、と願ったとする。
しかし、情勢分析では、「B候補とC候補の一騎打ち」になりそうで、もうA候補の当選は、全裸で逆立ちしてもありえない、となったとする。
そのとき、A候補に票を投じ、「Aに殉ずる」のも、1つの選択ではある。
たとえ当選できなかったとしても、少しでも票を拾えていれば、次回の選挙へのツナギになるし、供託金没収もまぬがれるかもしれないし。
だが、「BかCか、少しでもマシなほうを後押しする」という、「生きた票の使い方」も、忘れてはならない。
そんなときに、「A以外なら誰でもいいや(・ε・)」でアタマを停止させずにおくことが重要になるだろう。
(…)
というふうにまとめられていて、なるほどなーと思う。
でも、ブログにあるんなら誰かしら本にまとめたりしてないのかしら、と思ってAmazonを探してみるのだけれど、なかなか出てこない。
もう国民全員が必要な内容といっても過言ではないはずなのに、こんなに出てこないとは思わなかった。
まぁそんななかでも、一応それっぽいかなと思うものをなんとか見つけたので、ひとまず選挙までに読んでみることにする。
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(2012-12-06追記)
オチ的に持ってきた最後の池上さんの本だけ近所の図書館に所蔵があったので、内容を確認したところ、やはり選挙の仕組みや用語についての解説で、当記事にあるような興味に答えるものではありませんでした。残念。
ちなみに14歳向けということで児童書コーナーに置いてました。