ジョゲーン

山本 隆司. “米国Googleブック検索訴訟の和解が持つ意味 図書館関係者への助言”. 情報管理. Vol. 52, No. 7, (2009), 405-416 .
を読む。


講演をまとめたものなんだけど、話の最後で、

以上で終わらせていただきたいのですが,図書館関係者に対しての助言ということが副題についていまして,具体的にどうなのかという助言は,申し訳ないのですが行うことはできません。
(416ページ)

とあって、ちょまっw
とは思ったけど、よく見ると2009年7月25日に行われた講演で、その時点で考えると概要を相当わかりやすくまとめてくれていると思う(でも副題は変えたらよかったのに)。


前に取り上げた他の記事で、日本の権利者に影響が及ぶ直接の原因はベルヌ条約ではない、という話があったけど、ここでは、

Googleブック検索訴訟において,原告集団の定義が途中で変更されたと申し上げましたが,集団の定義は書籍または挿入物に対して米国著作権法上の利益を有するすべての者または団体という定義になっています。われわれが日本で本を書いたり出版したりしますと,ベルヌ条約に基づいて自動的にアメリカにおいても著作権が発生します。したがって,われわれも自動的に原告当事者になってしまいます。
(408ページ)

と書かれたり、415ページに「ベルヌ条約違反の可能性」という節が設けられたりされているので、やっぱりそれも重要なファクターではあるんだろうなと。これらをふまえると、つまり、ベルヌ条約は遠因で、集団訴訟の法システムが近因、という意味かなぁ。よくわかりませんが。


結局和解案は認められなかったので、今後どうなるかまだまだ見逃せない、というのと、動きが止まってるうちにできるだけ理解しておきたい、というのと。