どうしたらなにができるのか

松田政行、増田雅史「Google Book Search クラスアクション和解の実務的検討(下)」
(NBL 906号 88〜97ページ)
を読む。


上)を読んだときに目次をつけてしまったので、こっちにもつけておくことにする。慣れないことをするもんじゃね(ry

2.和解に参加する場合の手続および効果<6>収入の分配<7>権利保持者相互間の関係<8>権利行使のための具体的手続<9>Googleに許諾される行為と権利保持者によるその制限
3.和解に参加しない場合の手続および効果<1>和解からのオプトアウトとは<2>オプトアウトの手続<3>オプトアウトした場合の効果
4.和解への異議申立て<1>異議申立て<2>公聴会における意見陳述<3>わが国の権利保持者に関連する事項
5.権利者に与えられた選択肢と望ましい対応<1>和解からオプトアウトするべきか<2>望ましい権利行使のあり方
おわりに

著者の個人的見解としては、

  • 普通に考えたらオプトアウトしない方がええじゃろ
  • 日本の権利者にはしばらくはほとんど影響なさげ

という感じ。

ここで、和解に伴う失権がないとは、Googleによる書籍の利用行為が行われないという意味ではなく、その利用行為に対して訴訟を提起する権利が残存するのみであることに注意しなければならない。
(95ページ)

・・・和解からオプトアウトしても、すでにデータベースに収録されてしまった書籍等の「除去」を求めることもできないし、今後データベースに収録されることを阻止することもできない。Googleによる行為に対しては、訴訟を提起する権利が留保されるが、ほとんどのわが国の著者や出版社にとっては、その選択肢は現実的でない。
 これに対し、和解からオプトアウトせずに権利保持者となった場合には、Googleによる書籍等の利用行為の大半を阻止できる権利を保持することになる。これは、権利保持者が、Googleによる利用を許すか否かについてオプションを持つことを意味する。
 したがって、一般論としては、本件和解からオプトアウトしないほうが得策であるものと考えられる。
(96ページ)

まぁそうだよね。
冷静に考えれば、ということだけど。
冷静に考えられないのが問題なのだけど。