コンピューターおじいちゃん

読書記録−指宿信編『法情報サービスと図書館の役割』(勉誠出版、2009年、2100円)
(ARG)
をみて、読まねばと思い、
近くの三省堂丸善に探しに行ったけど、ない。


まぁそのうち職場でも買ってくれそうだけど、
自分で持っててもいいかなーという感じ。
とりあえず実物が見たいよ。


しょうがないからこないだの(「判例」のことはそろそろわかった?)、
有斐閣判例とその読み方』三訂版に目を通す。


目次で異同を確認してみると、
基本的には最近の判例を反映させる改訂で、
「第1部 判例について」は多分そのままに、
「第2部 実例から見た判例とそのはたらき」
「第4部 判例の読み方の実例」といった実例部を充実させている、
という感じか。


そしてもちろん、「第3部 判例の探し方」では、
「パソコンによる検索システム」の項がかなり変わってるぽい。

平成一四年の本書改訂後インターネットを利用した判例検索データベースは大きく変貌を遂げ、ネット環境さえあれば瞬時に判例を検索できるようになった。まず特筆すべきは、公的機関による無料の公開データベースが誰でも手軽に利用できるようになったことを挙げることができる。第二に商用データベースもDVD等の電子媒体からネットを利用したものに主流が替わり、その内容も従来と比較して格段に充実し、日本のデータベースに止まらず、米国を本社とするデータベースが日本市場に参入したことである。
(264ページ)

てなわけで、読んだ方がAと思った。


まぁ、

機械による検索であるため、見落としは考えられず、その正確性は保証されている。
(265ページ)

というのはちょっと言い過ぎかなって思うけど。
システムの性格によって検索語の選定や入れ方でヒットしてくれる数が変わったり、そもそもデータベースに判例を登録するときにミスタイプされていたり、さらにそもそも原典に誤字等があってそれをそのままにしている場合が、まったくないとは言えないので(ほとんどないだろうけど)。
それでも手作業での判例検索と比べたら、
その正確性(と楽さ・コストパフォーマンス)は比じゃないと思うから、
まぁ、いろんな経験をしてこられた方の感慨によって、
そういうちょっと派手な表現になっちゃったんだろうし、
そこは責められないけど、一応指摘しとき。


さて、国会図書館についての記述を読んでいると、

同図書館のオパックを使うと戦前の法律新聞の全国の所在館情報などを知ることができ、その利用価値は高い。
(266ページ)

って書いてあって、なにーそんなのあったか?
全然しらねーていうかそれってwebcatじゃね?
もーおじいちゃんったらー(はぁと
と思いながら念のためググってみると、


全国新聞総合目録データベース


あんじゃん!
うわーこれ全然知らなかった。
オパックといっても、NDL-OPACから入るんじゃなくて、
「総合目録」から行くのね。
ざっと見た感じ、webcatよりも登録機関は少なそだけど、
公共図書館とか研究所の図書館とか、
いろんな種類が入ってるってことなのかなぁ。
あとは新聞に特化してるだけあって、
同じ一般紙でも各地方版とかめっちゃ細かく分かれてる。


ちなみに、当のwebcatやciniiの名前は本文になくて、

大学図書館の横断検索も可能となっている。
(266ページ)

という記述にとどまっている。


それにしても、こんなのよく知ってんなー。
コンピューターおじいちゃんだなー。
イェイイェイウォウウォウウォ、ウウォー♪(ぉぃ


「商用データベース」の項には、

 現在商用データベースとして主要なものは、(1)LLIDB判例秘書JP、(2)LEXDB、(3)レクシスネクシスジャパンDB、(4)ウエストロージャパンDB、(5)第一法規DBなどがある。
 (1)と(2)は、多くの法科大学院で利用されているので、教員、学生は主としてこれを利用している・・・
(267ページ)

とあって、ぼくの勤務先でも1と2は使っているけど、
そういえばほかのところはどうなのかしら。
こんど各ロースクール採用DBの一覧表でも作ってみようかな。