where're the dogs waitin' for

例えば何か犬の本を図書館に行って探すとしよう。彼は犬のことが唐突に気になって仕方なくなったのである。理由はない。Webでも少し検索してみたけれど、書籍になっている情報も知りたいと思い、やってきた。
だが建物に入って彼は立ちすくんでしまう。どの棚へ行けばよいのだろう。「すみません、犬はどこですか?」「外につないでおいてください」違う。彼は散歩の途中ではない。
「すみません、犬の本はどこですか?」ともし彼が聞けば、「犬のどのようなことでしょう?」と普通は聞かれるはずだ。普通は。どんな事柄の本でも大概は、いくつかの分野に散らばって配架されているものなのである。そこで少し会話をするなかでニーズが明確化され、ひとまず適切と思われる書架へと案内されることになる。
あるいは、「ではまず検索してみましょう」と蔵書検索機へ導かれるかもしれない。相手が利用者教育志向のスタッフだったり、時には図書館全体がそのような方針を持っている場合もあるから気をつけるんだ。「どうぞお掛けください…今までにこちらの機械を使われたことは…では何か言葉を入れて検索ボタンを…」などと進んでいき、とりあえず1冊選ぶことになる。本の詳細情報画面で配架場所と請求記号について簡単な説明があり、次に実際その棚へと案内されるという形である。
しかし、彼は自分のニーズが明確化されるのはだるいと思った。なんかもっとボワっとしたままで調べたい気分なのだ。元々お店などでも店員に話しかけられるのが得意なタイプでもない。それに検索機の使い方はだいたいわかっていて、あえてレクチャーを受けたいとも思わなかった。そうであれば、彼はまずどうするだろうか。分類表や配置図の館内掲示を探して、とりあえず生物学の棚に行ってみる。または、自ら検索機へと向かって、やはり1冊選んでみる…


うーん。
それほど間違ったやり方ではないと思うけど、何かうまくない。うまくないというのは、取りこぼしが多いうえにめんどくさい、ということだ。
ざっくりでいいから、もっと楽にだいたいの情報(の場所)が把握できればいいのに、と思う。
NDC SuggestNDC Finderはキーワードから分類番号(請求記号)を複数指定してくれるから、これと具体的な館内案内図(配架図)を連携させて、ざっくりしたキーワードで複数の書架を一発表示してくれるシステムがあったら、ひょっとして普通の蔵書検索より使うんじゃね? なんて考えた。


ということが書きたかっただけであり、前半の小芝居がどれくらい必要だったのか、疑問を禁じ得ない。