flow of books

人は本を読む前に本を選ばなければならない。


選び方はそれぞれで、
同じ作家の本をまとめて連続で読む人もいるけど、
自分の場合は向いていないということが、
大学のころ夏目漱石をまとめて読もうとしたとき、
三四郎』『それから』『門』で力尽きてわかった。
三部作ェ…


ちなみにそのころは聞いたことのある古典はとりあえず
読んでみようと思ってプラトンの『国家』(の上巻の半分)
のみでその試みが終了した経験もある*1
とにかく、in order な読み方はだめなのだ。
飽きる。


なので、いま本を選ぶとき大事にしているのは、
「なるべく違う本にする」ということと、その上で
「それまでの流れに合った本にする」ということである。


「なるべく違う本」というのは、
内容も著者も形態も違うもので、
例えばいま僕は『オシムの戦術』という
サッカー関係の本を読んでいて、これは単行本なんだけど、
だから次に読むものには単行本じゃなくて(文庫か新書か雑誌とか)、
しかもスポーツ関係でもノンフィクションでもないものを
多分選ぶことになる。
なおその前には『俳句いきなり入門』という新書を読んでいたので、
次は新書や文庫みたいな小さなものはやめよう、
内容も文学っぽいものは避けよう、
ということでサッカー本が選ばれている。
オシムの戦術』の次は、きっと文庫の小説とか、文芸誌とか、
その辺になると思うけど、まだわからない。


この「まだわからない」というのが、2つ目に挙げた、
「それまでの流れに合った本にする」に関わってくる。
もちろん読みたいと思っている本はピックアップしてあるし、
何冊かは購入もしてある。
でも、実際に何を読むかは、その時にならないとわからない。
そもそも自分のソーシャルライブラリーの「気になった本」には
現在200冊以上が登録されているので、
そのリストだけでは次に読むものは決められないのだ。
次に読む最後のその一冊に絞り込むには、
自分の中にある「流れ」を読まないといけない。
そのためには最近どんな順番でどんな本を読んできたかが重要になる。
沈黙の春』『愛しの文房具』『俳句いきなり入門』『オシムの戦術』
と来て、次に置くべき本はなんなのか。
自分のなかで一番フィットする本はどれか。
実際のところ俺は何が読みたいと思っているのか。


そうやって自分のことを自分に聞きながら、
その流れに沿いながら、毎日を過ごしている。

*1:こちらはその数年後に下巻まで完読