空気になる準備はできている、あるいは、chik325の弁明

図書館の人々よ、みなさんが私の告発者にどれほど心を動かされたか、私にはわかりませんが、私には自分が誰であるかほとんど忘れさせてしまうものでした。それほどに、あの人たちは説得力のある話をしたのです。しかしほんとうのことはどうみても言っていないのです。あの人たちの話した嘘の中でも、次の嘘には全くびっくりしました。つまり、私の雄弁の力に用心し、kumoriを独占されないようにと、みなさんに言ったことです。私が口を開き、私がたいした弁舌家でないことを示してしまえばすぐに嘘だと見破られてしまうのに、こんなことを言うなんて、私にはほんとうに大恥知らずだとしか思えません。もっとも、あの人たちが、雄弁の力を真実の力という意味で使っていなければのことですが。


まぁ、それはともかく。


第十四回文学フリマに、chikumoとして参加することになりました。
これは、いつもkumoriが作っているしおりに短歌を載せてみる、
というもので、基本的に図書館関係ありません。ただ、
kumoriのいままでの活動を紹介するような閲覧用バインダーとか、
そういうのは一緒に置いてもいいなと思っています。


さて、ここ何年かのkumoriの活動は、
ぼくも遠巻きに見てきたわけですけど、結構以前から、
「kumoriを図書館の外に置いてみたい」
というふうに思ってきました。


いまkumoriは、図書館のひとたちの間では、
わりと特権的な地位にあると思います。
それはもちろん、しおりのすぐれたデザイン性や、
作成者ご本人の愛らしいキャラクターにもよるわけですが、
「図書館の中でばっか盛り上がってて、そんな意味あるんか?」
「kumoriは図書館だけのものなんか?」
なーんて感じもしていたり。
(別に、盛り上がるなと言ってるわけではありませんが)


そんなわけで今回は、図書館とはそれほど縁のないところで、
kumori(みたいなもの)がどんな反応を得られるのか、
得られないのか、見られるチャンスなわけです。
本当はいつものkumoriそのものを出品できればよかったのですが、
応募された方々の言葉を勝手に売り物にするわけにもいきませんし、
それならなんか短歌とか文字数的にもちょうどええんちゃうか、
みたいな感じで、chikumoという形になっています。


別に、kumoriを独り占めするつもりなんてありません。
kumoriはみんなに開かれています。だから、
誰がしおりにメッセージを載せたり、
図書館の外に連れて行ったってよかったはずなのです。
特に、いつも広報広報言ってる人たちがさっさと連れ出して、
kumoriを広い世界へ飛び立たせるとともに、
図書館のアピールでもすればよかったんじゃねえの、
いつも館内ですることばっか考えてないでさ、
とか、思わなくもありません。
ぼくのように全く無名な人間がkumoriを外に出すことになるなんて、
至極残念で、にやにやしてしまいます。


文学フリマというところには、出版社さんや作家さんもいますが、
大体通常の市場には乗らないものが出品されています。
市場に乗らないということは、図書館ではほぼ読めない、
ということです。
カッコええ人たちの言葉でいえば「zine」とか、
みんなが好きな言葉でいえば「灰色文献」と呼べなくもない。
そういうものに対する資料要求の勢いを目の当たりにしてみても、
まったくの損にはならないかと思います。
もちろん、単にkumoriの人に会いにきてくれても、全然OKです。
ぼくとしては、空気になる準備はできています。
どうぞお気になさらずに。


よろしければのぞいてみてくださいませ。