題詠

角川の『短歌』平成23年4月号を読んでいたら、
「題詠「図書館」を詠う 発表 大塚布見子選」
というページがあって、へえ、と思って面白く読んだ。
(188-191ページ)

短歌 2011年 04月号 [雑誌]

短歌 2011年 04月号 [雑誌]

おそらく一般読者から投稿された作品で、
あるあるな感じのものも多いけど、
わりと好きだったのをいくつか紹介してみる。

公園の木立の奥の図書館に遠き日の夢蔵われてあり(新井忠代)



青年のころ読みさしし小説をいま図書館で読みつぎてをり(大見光昭)


図書館の眺め良き席まず取りてひとときあまり書を開かず(岡村禎俊)

選んでから思ったのは、時の流れを実感できるようなのがよかったのかなと。


そういえば、去年の8月にTwitterでも図書館短歌を募集してたなぁ(「57577で図書館を」エントリー作品一覧)。
こちらは「中の人」目線が多かったので、
ちょっと離れてみてたんだけど、
あらためて読んでみて結構いいかもと思うのは、

栞紐つとはさみ込む指先を貸出のたび盗み見てゐる(ohagy)


君もまた理科少年でいた頃は花の図鑑を読んだのかしら(ewan31)

あたりでしょうか。


さて、短歌って、そんなに読んでいるわけじゃないけど、
「図書館」という言葉が入った歌で、
いままでで一番いいなって思ったのは、
『えーえんとくちから 笹井宏之作品集』(PARCO出版)の中のもの。

この森で軍手を売って暮らしたい まちがえて図書館を建てたい
(6ページ)

いったいなにがあったのか…とっても不思議。

えーえんとくちから 笹井宏之作品集

えーえんとくちから 笹井宏之作品集