school in regions

図書館だけではたらいてるといってもその大元の機関について少しは知っておいた方がいいと思って、法学セミナーで連載されている「法科大学院の論点」を毎月読んでいる。教員や修了生、弁護士などさまざまな視点から記事が書かれるオムニバスなタイプの記事。正直それぞれの出来ばえには波があるけど、7月号の第10回、「60歳からの法曹への挑戦-法科大学院教育の理想と現実」はなかなか読み応えがあった。
まぁ年長の方の司法試験挑戦というのは時々は見かけるネタなんだけど、著者の藤川忠宏さんは元日経論説委員の方で、今まで読んできた記事の中ではさすがの文章力だなぁと思う。

それはともかく、個人的に参考になったのは2010年の新司法試験で合格者を出せなかった鹿児島大学法科大学院についての記述。

新司法試験の競争が激化するにともなって、直接新司法試験と関係せず、学生の負担の大きいクリニック教育が形骸化する傾向が強まっている。鹿児島大学法科大学院は、クリニック教育として離島の巡回法律相談を実施しているが、このような充実した臨床法教育を行っている大学院は、少数派である。
その鹿児島大学法科大学院が、新司法試験の合格者数が少ないとして文部科学省から指導を受けた。受験勉強に血道を上げる法科大学院が評価され、臨床法教育に熱心な法科大学院が批判される、という本末転倒な事態が生じている。
(57ページ)

実はぼくの親の実家が鹿児島で、去年行ったときに向こうに住んでいる親戚のおっちゃんとそういう話になったとき、
「受からないならいらないんじゃない?」
みたいなことを言うわけですよね、やっぱり(おっちゃんは多分一般の人というか、特に法律に強く関わりを持った人ではなさそうなんだけど)。
で、そのとき、そんなこともないんじゃないかなって思うけど、具体的にどう説明していいかよくわからなかったのね。
なのでまぁ、そういうことをやってるんだなぁと。


このあいだ読んだ「法テラス福岡 ニュースレター 第7号」(PDF)でも、地方にロースクールがある意味について述べられていた。

西山教授:私どもは、何のためにLS(ロースクール)を作ったかというと、地方の弁護士を作るためにLSを作ったんです。「地産地消」という言葉がありますけども、ここで作ってここで一人前にする。(…)ここで生きていく弁護士を作るといいますか、そうした「地方の時代」を念頭に置いてLSを作ったんです。
スペシャル対談!〜市民のための弁護士養成と今後の法テラスの役割について〜)

ただこの記事に関しては、後半の「社会に弁護士を行き渡らせる」発言について、

図書館に弁護士wwwww


もうね、アホかと。バカかと。
┐(´〜`)┌
Schulze BLOG

というツッコミもある。


…変なところで槍玉にあげられる図書館w