free is iron
ポット出版の「デジタルコンテンツをめぐる現状報告」を、 理想書店 の電子書籍で読み終えた。
電子書籍を丸ごと一冊読んだのは多分初めて。
iPhoneは持っていないので、全部PCで読んだ。
期間限定でフリーだったときに入手したからお金は払っていない。
てな条件での電子読書でした。
以下感想。
*
まず本(というかコンテンツ)自体のことからいうと、やっぱり一番おもしろかったのは2章のインタビュー部分。次が3章の議事録で、最初の報告書部分は報告書だけに(?)読み物としてはちょっと退屈な面があった。情報としてはまとまっているのだとは思いますが。
それで。
正直言って、1章を読んでいる間、もうほとんど「読むのをやめよう」と思った。PCで本を読むこと自体に慣れていないこともあって、読むタイミングをうまくつかめないし、特別つづきを読みたいとも思わなかったし。
あと、iPhoneだとどうなのか知らないけど、PC上の閲覧ソフトはあんまり融通がきかないっていうか、文字を拡大したり縮小したりするときいちいち間があって、すんなり変わってくれないから、はじめどのくらいの大きさにするのが読みやすいか探るのに結構苦労するんですよ。
で、電子書籍って話題になってるけどなんかイマイチだな、
所詮iPhoneすら持ってない下々の者には関係のない話なのかな、
とまでは思ってないけど、まぁそんな感じだったわけ。
でもなぜか(ほんとなぜだか)そのまま読み進めて、
やっと2章に入った時点でぼくの評価は爆発したのです。
これはおもしろい!
続きが読みたい!
電子書籍ってなんてすばらしいんだろう!!(笑)
その頃ようやく、PCで本を読む時間を自分の生活の中に位置づけられるようになっていました。たとえば、歯みがきをしているときとか、朝食をたべているとき、そういう手がふさがってしまうときにクリック一つでページがめくれてしかも本をおさえなくていいのは便利だということに気付いた。一日に10分か15分ですけど、いままでなにもしていなかったすきま時間を電子書籍に充てるという習慣ができました。評価が一転した理由にはそのことも確かにあると思います。つまり慣れた、と。
でもやっぱり、一番大きいのはコンテンツがおもしろいかどうかだと思う。
自分でも気づいたけど、こういう新しいメディア(ツール)を使うときって、コンテンツの評価がそのままツールの評価になりやすい。
本当は内容にしっくりきていないのに「電子書籍だからかなー」なんて思っちゃったり、逆に内容がよければ多少不便でも「やっぱ時代は電子書籍だよなー」とか思ったり、するでしょうよきっと(ぼくはしました)。
だから、電子版をお試しフリーにするんなら、中身を組み替えておもしろい部分を冒頭に持ってくるか、もしくは冒頭がおもしろい本を選んでお試しフリーにしないと、タダだけにすぐ見捨てられちゃうんじゃなかろうか(無料は鉄のように熱しやすく冷めやすい)。
音楽CDのアルバムでは3曲目くらいまでに必ずシングル曲やキラーチューンが入っていますよね。
2章に目を触れさせないまま読者を失うのはもったいないよ!
と、無料でもらった身分であえて言ってみる。笑
そんなわけで、確かにこの本、テーマとしては電子版お試しフリーにふさわしいけども、本の作りとしてはあんまりふさわしくないと思った。
ぼくみたいな、つまんなくてもなぜだか読み続けるいわゆる「変態ども」ばっかり相手にしてたらダメだと思います。笑
ついでに言えば、インタビューがいくらおもしろくても、さすがに5本連続はキツいというか、飽きるというか、だれるというか。
なので、インタビューと議事録をおりまぜたものを先に置いて、最後に報告書でいままでのまとめ、という形の方が良かったんじゃないかなあ、なんて思ったり。
うーん、よけいなお世話☆
電子書籍については、“紙の本が電子書籍に勝っているところ/とはいえ、実はあまり重要ではない気もする”という記事に、
ぼんやりとした頭で、紙の書籍というのが電子書籍に勝っているところってなにかなぁなどと考えておりまして
・書き込みできる
・付箋を貼れる
・風呂で読める
・売却できる
・サイン会イベントとかできる
・宣伝のノウハウについては電子書籍に比べればまだマシ
・カタログ数が圧倒的に多い
・いいにおいがすることがある。お前なにこぼした。
・枕になる
・鈍器になる
・1500年もたてばプレミア
他にもきっといろいろあるのでしょうなぁ。
(万来堂日記2nd)
なんて書いてあったりしたけど、ぼくも本を読む時はよく付箋を貼るので、それが付けられないのはちょっと不便だった。
で、どうしようかと考えて、結局 InBook.jpを使うことにしたんだけど、コピペができないからその場でいちいち打ち込まないといけないのね(しかもTwitter連携にしてるから140字以内で)。
入力するまでは次を読めないから、若干面倒だなーと。
ダウンロードさせないコピペもさせないプリントスクリーンは無効化ってそこまでするんだったら付箋つける機能くらいつけろや、と思ってしまうわけです。
まぁInBookは使ってみたら結構便利だったんだけどね。
機能的にはやっぱり面倒が多い(いちいちログインしなきゃいけないとか。購入時に確認するだけでいいじゃん)けど、まぁ中身がおもしろくて日常生活にとけ込んでしまえばそんなに気にはならない。今度はちゃんとお金を出して買うつもりでいる。
少し前に出た、“「無料全文公開」で10万部突破 出版界驚かす「フリー・キャンペーン」”という記事には、
「電子と紙は別のものという意識でやっている。無料の電子版を見ても、紙で買いたい人は本を買ってくれるのではないか」
(J-CASTニュース)
なんて話も出ていたけど、ぼくはいまのところこの本を紙で欲しいとは全然思っていない。電子で十分だった。
なので、次は「日本の公文書」あたりを読もうかな、と思っている。
歯みがきのお供に。