けんさくえんしゅう(1)

齊藤正彰「法情報検索の実践的学修」
ロースクール研究 No.8 2008年1月 民事法研究会)
に演習問題が出てる。
職場でこの雑誌を買い始めたのが最近だったから、まとめて入ってきて気付かなかった。
レファレンスの練習になりそうで、貴重、貴重。


というわけで、やってみた。

問1 いわゆる札幌税関検査違憲訴訟の昭和59年最高裁大法廷判決において憲法21条に違反しないとされた関税定率法21条1項3号(昭和55年法律7号による改正前)が規定していた内容は、現在どこに規定されているか。その規定を含む法律の題名、法律番号、当該規定の条番号(項・号まで特定できる場合は、その番号も)を記載せよ。
(104ページ)


とりあえず、六法とか法令データ提供システムをいきなり見てもよくわからんそうなので、「札幌税関検査違憲訴訟」をそのまま愚直にLEX/DBでキーワード検索してみる。本当はこういうのって長い用語の全てをそのまま愚直に入れるとヒットしにくいんだけど、まぁとりあえず奇跡を信じてみる。


と、ヒット1件。
暴走族追放条例について限定的合憲解釈が・・・」明らかに違う。orz

でも、どこかで関係してるってことだ。多分引用だろ。
というわけで、全文表示なんてしないで、引用判例の一番上のヤツをポチッと押す。


あ、あった。ラッキー。(ぉぃ


問題文では「札幌税関検査」だったけど、このデータベースでは「札幌税関検閲」になってて、一発でヒットしなかったのです。
こういうのはよくあることで、だから愚直になってはいけない。正直者は馬鹿を見るんです。社会なんてそんなもんです。違うか。


まぁそもそも一発でヒットしなくたっていいんじゃね? とは普段から思いますが。時間の節約てのはあるけど、一発ヒットの検索式たててるあいだにテキトーな検索をして3クリックぐらいでたどり着けたらそっちの方が早いかも知れないし。まぁ、確実ではないけど、一発ヒットの検索式だって、検索してみるまでは不確実であることには変わりないし。
一回の演算毎に課金されるとかでなければ、だけど。


さて、問題になっている判例にはたどり着けたけど、まだ法令集とかに当たるのは早かろう。ぼくも素人ですし、できるだけたくさんヒントがほしい。というわけで評釈を当てにします。よく知ってるジュリスト別冊の「判例百選」のシリーズで、いちばん新しいヤツ・・・「憲法判例百選1 186号152頁」か。


というわけで本誌にあたると、

・・・関税定率法(以下「定率法」という)21条1項3号(昭和55年法7号による改正前のもの。現関税69条の8第7号)所定の輸入禁制品(「公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」)に該当する旨の・・・
(太字は引用者)

キターてか普通に書いてるしっ
と思ってここでやっと「法令データ提供システム」を使う。
関税法
69条。
の8。
第7号・・・って、ちょ、5号までしかねえし!
まさかの誤植?
いや、この雑誌でそれはないだろう。
とすれば。
改正。


というわけで、関税法の附則にある「69条の8」を、新しい方から気合いで探し出す。(ヒドス

と、

・・・同款中第六十九条の八を第六十九条の十一とする改正規定・・・
(附 則 (平成一八年三月三一日法律第一七号) 第一条第五項)

これだ、これだ、んで69条の11を見てみる、第7号。

七 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品(次号に掲げる貨物に該当するものを除く。)


あった、あった。
判例百選の引用とも一致してる。これだらう。


というわけで、「69条の11第7号」と解答。


不正解。w


正解は、「69条の11第1項7号」


ローマ数字の項数、見落としましたよ、はい。
1項は表示がないけど、2項、3項とあるじゃん・・・


というわけで、幸先わるく躓いたところで、つづく。