ギギギギギッ
金沢文芸館 本の貸し出し全面停止 有料観覧券保有者 著作権法に絡み
(中日新聞)
を読む。
同館を運営する市文化政策課では「(法律に抵触する)疑義が残る状況のため、貸し出しは止めようという結論になった。利用者には文芸館内で本の閲覧を楽しんでもらいたい」としている。
うにゅー、って感じ。
こと著作権に関しては、「疑義が残る」からって理由で仕事をやめていったら、ほとんどなんにもできないくらいがんじがらめになっちゃうのでわ。
というところにちょうどよく、
こないだとりあげた岡本薫さんの「時の法令」での著作権連載、2回目が出た(5月15日号、No.1833)。
タイトルは、「著作権の「実務」の本質-すべてはリスクマネジメントだ」。
内容を要約すると、
著作権というのは「私権」なので,「著作者がだれか」も「著作物に該当するか」も「どの程度の利用で権利侵害になるか」も「例外規定の対象になるか」も「権利者が訴えるかどうか」もはっきりせず、最高裁で判決が出ない限り確定はしない。
だから、
1.法解釈は自分で決めるしかない
2.リスクマネジメントのレベルは自分で決めるしかない
3.法律のあいまいさにモンクを言っても始まらない
4.リスクを下げる努力は自分でする
ということなのですよ、とのこと。
これは、かなり重要な指摘だと思う。
「疑義が残るのでやめます」っていうのは、そりゃまぁリスクはゼロになるだろうけど、それは法解釈もリスク管理のレベルも自分では決められないというか、ただなんか怒られそうだからやめます、と言ってるようなもので、それってほとんど何にも考えてないのとかわんないんじゃね? という気がしてしまう。
とりあえず、リスクをゼロにしたことで、サービスもゼロになったっていうのは、結構深刻なことだと思うんだけど、「利用者からは特に不満の声はない」とかって、なんかあっけらかんとしてるんだよなー。
もしサービス業のはしくれだって認識があるんなら(ないかもしれんケド♪)、ダメになったサービスには少なくとも代替案(図書館や書店を紹介とか)を提示しないとだし、それ以前に常にいいサービスを提供しようとするべきだし、いいサービスの提供にリスクが伴うなら安全な範囲まででいいからそれを負わなきゃじゃん。
ほら、前にオシムさんも言ってたよ。
リスクをかけて攻めなければ得点は生まれないってさ。