非ネイティブのひとりごと

鈴木正紀「私立大学の経営と図書館」
(ライブラリー・サービス研究会発表資料)
を読む。
 * アップロードに感謝。すごく勉強になりました。


「2.図書館」の中の、
(ウ)私立大学図書館の専任職員には何が求められるのか
という項で、

・大学というコミュニティの構成員のニーズを捉え、それをサービスとして具体化していくことに責務を持つ(委託スタッフにそれを期待することはできないし、してはならない。委託スタッフは、契約上、大学コミュニティのネイティブにはなれない。)専任がすべき仕事の例:レファレンスサービス、コレクション・マネジメント、DB/EJ等電子リソースの購入・環境整備、機関リポジトリ構築・・・
(7ページ)

というふうに述べられている。
これは、外部の業者を使うとしても、それに寄りかかりすぎたり、丸投げになったりしないようにねっていう、自戒を込めた言葉なんじゃないかと思う。


それはそれで理解できるけど、自分がその「委託スタッフ」だからっていう面もあるけど、あんまりはっきりコアな業務とそうじゃない業務って分けるっていうか、“棲み分け”みたいになって、こっちはこっちでやるから、そっちはそっちでちゃんとやってね、というふうになるのには結構違和感がある。


せっかく内部で多様性が増しているんだから、そこでいろんなやりとりをしたら、いいアイデアがお互いにどんどん生まれそうなのに、専任のパイが小さくなっていく中で、なおかつ「コアな業務」を自らの手にかたくなにガチガチ守ろうとしていたら、発想は乏しくなる一方なんじゃないのかなーと思ってしまう(実際どうなのかは、わかりませんが)。


「ネイティブにはなれない」のは当然だとしても、ネイティブでないからこそ見えるものがあるというのもまた真実なわけで、それを、別に尊重せよとは言わないけど、せっかくあるんだからうまく使えば? とは思う。


それに、一緒に仕事している以上、外部の人間からも「サービスとして具体化していく」うえでなんらかの提案がなされうることは当たり前だし、そういうことを「責務」とまで考えようとしてくれる業者を使った方がむしろいいんじゃね? とも思う。


もちろん、委託だったりすると、図書館の外の大学のことはなかなかわからないわけだけど、だからって、それを伝えようとする努力もしないままに「期待することはできない」っていうのはちょっと早計な気がして。


もっとちゃんとコミュニケーションを取って、お互いに刺激しあえる関係になることのほうが、よくわかんないけどコアだの周辺だの業務を区別していくことより大事じゃん。
そういうふうに仕事できたらいいなと思う。