what to pick up(2009/3/20転載)
判例集への登載基準めいたものが、
中野次雄編『判例とその読み方』(改訂版)に書いてある。
・・・判例として意味のあると思われるものはほとんど網羅されているといってよい。同趣旨の判例でも、小法廷が異なれば登載する例になっているし、判例そのものとしては目新しいものでなく普通ならば登載されないものでも、新しく任命された裁判官が少数意見を附したときは、これを登載することにしている。
(106ページ)
体系的な説明というよりは小ネタみたいなものだけれど、参考になる。
たぶん細かいところはこういう小ネタの集積なのだろう。
さて、文の後半はすんなり納得できるが、
「同趣旨の判例でも、小法廷が異なれば登載する」
というのがよくわからない。
三つの小法廷というのは性格の違ったものなのでしょうか?
小法廷への事件の分配については同書で、
事件が・・・最高裁判所に受け付けられると、それはあらかじめ定められた順序に従って第一小法廷から第三小法廷までのいずれかの小法廷に分配され・・・
(99ページ)
とある。
「あらかじめ定められた順序」というのがよくわからないけれど、
だいたい平等に分配されるというように読める。
また、市川正人・酒巻匡・山本和彦『現代の裁判』(第5版)には、
最高裁判所が受理した事件は、まず各小法廷に機械的に配分され・・・
(68ページ)
とある。
「機械的に」というのが、トランプを配るようになのか、
それともプログラミングを読み込ませるようになのかはわかりませんが、
まぁそれぞれの小法廷は同じように扱われてるのだと思う。
でも、それぞれの小法廷が同じようなものだとすると、
「小法廷が異なれば登載する」という理由が見えてこない。
小法廷を構成する時点でなんらかの性格があらわれるものなのだろうか。
それとも単に、「ほら、ほかの人がやっても同じだったでしょ」ということなのか。
また逆に言えば、「小法廷が同じなら登載しない」ということなのか。
判断した人が同じならわかるけど、中の人が入れ替わってもそうなんだろうか。
それともあんまり入れ替わらないものなのかな。
というのが今度の疑問。
素人手前でちょっとずつ調べてみる。