著作権からそんな話に

「時の法令」という雑誌に連載の「政府刊行物著作権」(岡本薫)が完結していた。
月1で1年間、全12回の連載だったらしい。
記事タイトルは こちら にまとめられている(エライ)。


見開き一枚の短い記事だったので、そんなに詳しく政府刊行物の話があったわけではなかったように思うけど、忘れがちなちょっとしたことが書いてあるのがよかった。
例えば、“第9回 「非営利・無料」だからOK?”にある、

著作権の例外について最も多い誤解のひとつは、「非営利目的で無料の場合は、無断でコピー・配布してもよいはずだ」というものです。
(…)
こうした誤解が広く持たれている理由のひとつは、著作権法の中に「非営利・無料なら自由にしていい」という例外規定が、多くふくまれていることでしょう。ただし、その例外の対象となる利用行為に、「コピー・配布」は含まれていないのです。
(1847号58ページ)

だとか。


最終回はどちらかというと(法にまつわる)文化論的な話だった。まぁわりとおもしろかったけども。

世の中には様々な法律がありますが、多くの法律については「現行法は良くない」「いや、現行法のままでよい」という意見の対立が見られます。
しかし著作権法だけは例外であり、すべての人々が「現行法は良くない」と言っています。これは国会の怠慢ではなく、著作権法についてはそれが「普通の状態」なのです。
(1853号56ページ)

つまり、著作権に関しては利用者と権利者の「宿命的対決構造」があると。
で、そんな中で、

「みんなが同じ心を共有できるはずだ」と安易に考えてしまう…人の多い日本では、自分と同じ考えを共有できない人を見ると多くの人がまず「驚き」を感じ、どうしていいかわからず「戸惑い」を覚え、さらにそれが「怒り」に変わってしまうようです。
(同)

むー、怖い。