三銃士ふたたび

指宿信「法情報環境のいまと未来:壁を越えて」
判例タイムズNo.1059 2001.7.15)
を読む。


判決文の提供について、

通常は、記者クラブ、弁護人あるいは代理人等に渡されるだけであり、・・・記者クラブに入っていないメディアについては、提供義務はないということで拒否されたと報道されている。
・・・通常は、市民は判決情報については記者クラブで配布された判決要旨に、メディアを通じてアクセスすることができるだけなのである。
(55〜54ページ)

とある。
裁判所のWebサイトで見つからない判決情報を報道機関がどうやって入手してるのか気になってたけど、やっぱりこうゆうのがあったのか。
だからどこのニュースでもだいたい同じ内容になるんだね。


標題の「壁」というのは、
アクセシビリティユーザビリティ・リライアビリティの三つの壁ということで、
なんとかビリティ三銃士ktkr
と思ったけど、最近公文書の文脈でよくみるこれらのビリティたち、
10年くらい前にもう法情報の話題で普通に語られていたんだなーと。


で、アクセシビリティに関して。

これまで、市民は市販の六法と呼ばれる出版物の直近の版を通して法令情報に接するしかなかった。その価格は必ずしも安価ではないばかりでなく、編集については官公庁が関与していることが近年問題となった。朝日新聞1999年6月18日記事は、「郵政省高率の印税稼ぎ」として官庁の裏金づくりの道具に法令集編纂が悪用されてきたことをスクープした。すなわち、官公庁が監修あるいは編集した六法類が商業出版社から出版され、その印税が全部監修者である官公庁にフィードバックされ、それらが飲食代等に使われたと報道されたのである。
(53ページ)

これねー。
うすうす感じてたんだけどさー。
なんか、六法ってほんと、種類が多すぎるような気がするんですよ。
それって、要するに、楽に儲かるからじゃねえのか?
と思ってさ。(単なる憶測ですけど)


だって、いくら便利とはいえ、
儲からなきゃ作んないような気がするんだよねー、
あんなにたくさん。


まぁいいけど。
どうせいっぱいあるから、
どんなのがあるのか全六法紹介とかやってみよっかな、
そのうち。


さて、ユーザビリティに関して、アメリカの例。

元データは官公庁や裁判所から提供され、それを第三者が、多くはアカデミック・サイトだが、検索の便宜を提供するようにしたのである。
(50ページ)

これはおもしろいなと思った。
データは提供するからできる人がやってね、
というのはAPIの公開と感覚的に近い感じもするし。
データを持ってるところが全部やろうとするから無理が出る、文句が出る、というのはありそうな話だしなぁ。