礼賛はもう飽きた

職場で買ってくれた『法情報サービスと図書館の役割』(勉誠出版)をちまちま読んでいる。きょうは第4章「アメリカにおける法律図書館の歴史とロー・ライブラリアン(山本順一)」。どうもアメリカのローライブラリーの話って、「あっちじゃこんなにスゴいんだぜ」という感じが多いんだけど、この章ではかなり冷静に見つめられているように思った。

アメリカのロースクールは、大雑把な言い方をすれば、数は少ないが大規模で大きな影響力をもった研究志向のロースクールと小規模な職業訓練機関的なロースクールに二極分化の過程をたどってきた。前者の有力ロースクールの図書館は世の中の様々な動向を映した立派なコレクションを整備してゆくが、全体としては多数の弁護士を輩出する小規模ロースクールの図書館は、実用的ではあるが相対的には貧弱なコレクションにとどまっている。
(97ページ)

アメリカならなんでもスゴいってもんでもない」というこの普通な指摘は、ローライブラリー“像”みたいなものを相対化させてくれる。

ロースクールの教員側がローライブラリアンの待遇アップに表立って反対しなかったのにも理由がある。教員は長年にわたり仕方なくやっていた選書業務から解放されるし、わずらわしい図書館業務にタッチしなくてよくなる。
(101ページ)

ほら、先生もまぁだいたい、そんなもんだって。